2017年7月17日月曜日

クローン文化財

「驚きのクローン文化財~芸術と科学技術の融合~」という文部科学省の記事をみつけました。
文章を読んでも、「クローン」に特別な意図は感じられません。
例えば

絵の具の成分・凹凸・タッチまで全く同じに再現されているのです。東京藝大では企業と大学が協力して、芸術と科学技術の融合により高精度な文化財の複製「クローン文化財」をはじめとする新しい感動を生み出す研究を行っています~


上の文章
「クローン」を「複製」に変えても全く意味が変わらないような気がします。
単に「クローン」という言葉に「高度な複製」という含意を持たせたかったのでしょうか。
私には、それ以上の意図を感じることができません。

こんな風に、カタカナ語を使って雰囲気を作りかがる人が、
私は、
美術関係者に多いような気がします。
そのことが美術関係の理解を難しくしているような気がします。

ついでに

クローンという言葉の語源は、ギリシャ語で「K l on =小枝」、
あるいは「接ぎ木」といういみだそう・・・
ですが、現在で は「遺伝的に同一である個体や細胞(の集合)」を指す生物学の用語だとも言われています。

接ぎ木と遺伝的に同一である細胞の集合体は、この時点で同じものではないのですが・・・・
まあ、生物学的な用語だということにしておきましょう。

東京芸術大学の「クローン」は、こんな生物学的な意味はないですよね。

どうも、私には、
複製、コピー、イミテーション、レプリカ等よりも精密な高度な雰囲気を作りたくて「クローン」と言っているような気がしてしようがないのです。

ついでだから調べたことを書き加えます。

複製は、原作に似せて作ったもの。
コピーもイミテーションも同じような意味。
レプリカも同じような意味ですが、作者が同じものを作っておくという含意もあるそうです。

精密な複製という立派な日本語があるのだから、敢えてクローンなんて言わなくて良いと思うのですが・・・・

如何でしょうか。





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